百人一首の三字決まり(37首)
三字決まりは、三音目まで聞くと一首に決まる札です。「あき」「あま」「あら」のように、二音目まで同じ音の歌が複数あるグループが中心です。
同じ二音で始まる札をセットで覚え、三音目の違いに注目すると効率よく覚えられます。
三字決まりの決まり字
「あ」で始まる三字決まり
- 第1番天智天皇「あきの」秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ秋の田のほとりの仮小屋は、屋根を葺いた苫の目が粗いので、番をする私の袖は夜露に濡れてゆくばかりだ。
- 第7番阿倍仲麻呂「あまの」天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも大空を仰いで遠くを眺めれば月が出ている。あれは故郷の春日、三笠の山に出ていた月と同じなのだろうか。
- 第12番僧正遍昭「あまつ」天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ天を吹く風よ、雲の中の通い路を吹き閉ざしておくれ。天へ帰る舞姫の姿を、もうしばらく地上にとどめておきたいから。
- 第30番壬生忠岑「ありあ」有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし有明の月がそっけなく見えたあの別れ以来、暁ほどつらいものはなくなった。
- 第39番参議等「あさぢ」浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど あまりてなどか 人の恋しき浅茅の生えた小野の篠原ではないが、じっと忍んできた。それでもどうしてこんなにあの人が恋しいのか。
- 第45番謙徳公「あはれ」あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな「気の毒に」と言ってくれる人も思い浮かばぬまま、私はむなしく死んでゆくのだろう。
- 第56番和泉式部「あらざ」あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがなまもなく死んでゆく私が、あの世への思い出に、せめてもう一度あなたに逢いたい。
- 第58番大弐三位「ありま」有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする有馬山に近い猪名の笹原が風に鳴るように、「そうよ」と言いたい。私があなたを忘れるものですか。
- 第69番能因法師「あらし」嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり嵐の吹く三室の山の紅葉が散り、竜田の川に流れて錦を織りなしている。
- 第78番源兼昌「あはぢ」淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守淡路島から通ってくる千鳥の悲しげな声に、幾夜目を覚ましたことだろうか、須磨の関守は。
- 第79番左京大夫顕輔「あきか」秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ秋風にたなびく雲の切れ間から漏れ出る月の光の、なんと清らかで澄んでいることよ。
「い」で始まる三字決まり
「お」で始まる三字決まり
「か」で始まる三字決まり
「な」で始まる三字決まり
- 第25番三条右大臣「なにし」名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな「逢坂」「さねかづら」という名を負っているのなら、人に知られず来てくれる手立てがあってほしいものだ。
- 第53番右大将道綱母「なげき」嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る嘆きながらひとりで寝る夜が明けるまでの間が、どれほど長いものか、あなたにはおわかりでしょうか。
- 第80番待賢門院堀河「ながか」長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は ものをこそ思へ末永く変わらぬかどうか、あなたの心はわからない。この黒髪が乱れるように、今朝の私の心も乱れている。
- 第84番藤原清輔朝臣「ながら」ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき生きながらえたなら、今のつらささえ懐かしく思い出すのだろうか。つらいと思った昔が今は恋しいように。
- 第86番西行法師「なげけ」嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな「嘆け」と月が思わせるのだろうか。そうではないのに、月のせいにしてこぼれる私の涙よ。
「は」で始まる三字決まり
- 第2番持統天皇「はるす」春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山春が過ぎて夏が来たらしい。夏になると真っ白な衣を干すという、あの天の香具山に。
- 第9番小野小町「はなの」花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに桜の色はむなしく色あせてしまった。長雨を眺めて物思いにふけるうちに、私の容色も衰えてしまった。
- 第67番周防内侍「はるの」春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ春の夜の夢ほどにはかない手枕のせいで、つまらぬ浮き名が立つのは惜しいことだ。
- 第96番入道前太政大臣「はなさ」花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり花を誘って散らす嵐の庭は雪のようだが、本当に古りゆくのは花ではなく、この私自身であったよ。
「ひ」で始まる三字決まり
「み」で始まる三字決まり
「や」で始まる三字決まり
「わ」で始まる三字決まり
- 第8番喜撰法師「わがい」わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり私の庵は都の東南にあり、こうして心静かに住んでいる。それを世間の人は、世を憂いて宇治山に隠れたのだと言っているらしい。
- 第38番右近「わすら」忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな忘れられる我が身のことは何とも思わない。ただ、神に誓ったあの人の命が惜しまれてならない。
- 第54番儀同三司母「わすれ」忘れじの ゆく末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな「忘れまい」というお言葉が末永く続くとは限らないので、いっそ今日を限りの命であってほしい。
- 第92番二条院讃岐「わがそ」わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もなし私の袖は、引き潮のときにも姿を見せない沖の石のように、人は知るまいが乾く間もなく濡れている。
三字決まりを稽古する
三字決まりの37首だけを続けて出題する「決まり字で稽古」で、上の句から下の句を選ぶ練習ができます。
三字決まりで稽古する