百人一首 第35番 紀貫之
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける

読み札
はなぞむかしの
かににほひける
取り札
歌の意味(現代語訳)
人の心はさあどうだかわからない。だが昔なじみのこの里では、梅の花が昔のままの香りで匂っている。
鑑賞のポイント
久しぶりに初瀬(長谷寺)の宿を訪れた紀貫之が、宿の主人に心変わりを皮肉られ、梅の枝を折って詠んだ歌です。人の心はわからないが、梅は昔と同じ香りで咲いている、と切り返しました。貫之は古今和歌集の撰者で「土佐日記」の作者です。
決まり字と友札
決まり字は「ひとは」の三字決まりです。「ひと」までが同じ音で始まる歌がほかに1首あり(友札)、「ひとは」まで聞いて初めてこの歌だと決まります。
- 第99番 人もをし 人も恨めし あぢきなく決まり字「ひとも」
詠み人について
紀 貫之(き の つらゆき)は、平安時代前期から中期にかけての貴族・歌人。下野守・紀本道の孫。紀望行の子。官位は従五位上・木工権頭、贈位従二位。『古今和歌集』の撰者の一人で、三十六歌仙の一人。
出典: ウィキペディア 「紀貫之」(CC BY-SA 4.0)より抜粋