百人一首 第38番 右近
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな

読み札
ひとのいのちの
をしくもあるかな
取り札
歌の意味(現代語訳)
忘れられる我が身のことは何とも思わない。ただ、神に誓ったあの人の命が惜しまれてならない。
鑑賞のポイント
心変わりした恋人に贈った歌です。忘れられる自分のことはいいけれど、神に愛を誓ったあなたが罰を受けて命を落とすのが惜しい、と詠みます。皮肉とも、本心からの心配とも読める一首です。
決まり字と友札
決まり字は「わすら」の三字決まりです。「わす」までが同じ音で始まる歌がほかに1首あり(友札)、「わすら」まで聞いて初めてこの歌だと決まります。
- 第54番 忘れじの ゆく末までは かたければ決まり字「わすれ」
詠み人について
右近(うこん、生没年不詳)は、平安時代中期の女流歌人。父は右近衛少将藤原季縄。 醍醐天皇の中宮穏子に仕えた女房で、元良親王・藤原敦忠・藤原師輔・藤原朝忠・源順(みなもとのしたごう)などと恋愛関係があった。
出典: ウィキペディア 「右近 (歌人)」(CC BY-SA 4.0)より抜粋