百人一首 第52番 藤原道信朝臣
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな

読み札
なほうらめしき
あさぼらけかな
取り札
歌の意味(現代語訳)
夜が明ければまた日は暮れ、そしてまた逢えるとわかってはいても、やはり恨めしい明け方であることよ。
鑑賞のポイント
恋人のもとから帰った朝に贈った歌です。夜が明ければまた日が暮れて逢えるとわかっていても、別れの夜明けはやはり恨めしい、と詠みます。
決まり字と友札
決まり字は「あけ」の二字決まりです。「あ」までが同じ音で始まる歌がほかに15首あり(友札)、「あけ」まで聞いて初めてこの歌だと決まります。
- 第1番 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ決まり字「あきの」
- 第3番 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の決まり字「あし」
- 第7番 天の原 ふりさけ見れば 春日なる決まり字「あまの」
- 第12番 天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ決まり字「あまつ」
- 第30番 有明の つれなく見えし 別れより決まり字「ありあ」
- 第31番 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに決まり字「あさぼらけあ」
- 第39番 浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど決まり字「あさぢ」
- 第43番 逢ひ見ての のちの心に くらぶれば決まり字「あひ」
- 第45番 あはれとも いふべき人は 思ほえで決まり字「あはれ」
- 第56番 あらざらむ この世のほかの 思ひ出に決まり字「あらざ」
- 第58番 有馬山 猪名の笹原 風吹けば決まり字「ありま」
- 第64番 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに決まり字「あさぼらけう」
- 第69番 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は決まり字「あらし」
- 第78番 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に決まり字「あはぢ」
- 第79番 秋風に たなびく雲の 絶え間より決まり字「あきか」
詠み人について
藤原 道信(ふじわら の みちのぶ)は、平安時代中期の貴族・歌人。藤原北家、太政大臣・藤原為光の三男。官位は従四位上・左近衛中将。中古三十六歌仙の一人。
出典: ウィキペディア 「藤原道信」(CC BY-SA 4.0)より抜粋