百人一首 第43番 権中納言敦忠
逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり

読み札
むかしはものを
おもはざりけり
取り札
歌の意味(現代語訳)
逢って契りを交わした後の今の思いに比べれば、逢う前の物思いなど無いに等しかった。
鑑賞のポイント
恋人と契りを結んだ後のせつない思いに比べれば、それ以前の物思いなど無いも同然だった、と恋の深まりを詠んだ歌です。
決まり字と友札
決まり字は「あひ」の二字決まりです。「あ」までが同じ音で始まる歌がほかに15首あり(友札)、「あひ」まで聞いて初めてこの歌だと決まります。
- 第1番 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ決まり字「あきの」
- 第3番 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の決まり字「あし」
- 第7番 天の原 ふりさけ見れば 春日なる決まり字「あまの」
- 第12番 天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ決まり字「あまつ」
- 第30番 有明の つれなく見えし 別れより決まり字「ありあ」
- 第31番 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに決まり字「あさぼらけあ」
- 第39番 浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど決まり字「あさぢ」
- 第45番 あはれとも いふべき人は 思ほえで決まり字「あはれ」
- 第52番 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら決まり字「あけ」
- 第56番 あらざらむ この世のほかの 思ひ出に決まり字「あらざ」
- 第58番 有馬山 猪名の笹原 風吹けば決まり字「ありま」
- 第64番 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに決まり字「あさぼらけう」
- 第69番 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は決まり字「あらし」
- 第78番 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に決まり字「あはぢ」
- 第79番 秋風に たなびく雲の 絶え間より決まり字「あきか」
詠み人について
藤原 敦忠(ふじわら の あつただ)は、平安時代前期から中期にかけての公卿・歌人。藤原北家、左大臣・藤原時平の三男。官位は従三位・権中納言。三十六歌仙の一人。小倉百人一首では権中納言敦忠。
出典: ウィキペディア 「藤原敦忠」(CC BY-SA 4.0)より抜粋