百人一首 第3番 柿本人麻呂
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

読み札
ながながしよを
ひとりかもねむ
取り札
歌の意味(現代語訳)
山鳥の垂れ下がった尾のように長い長い秋の夜を、私はひとりで寝るのだろうか。
鑑賞のポイント
「あしびきの」は「山」を導く枕詞で、上の三句全体が「ながながし」を導く序詞になっています。山鳥は雄と雌が夜は峰を隔てて別々に寝るといわれ、長い尾に秋の夜長と独り寝の寂しさを重ねています。
決まり字と友札
決まり字は「あし」の二字決まりです。「あ」までが同じ音で始まる歌がほかに15首あり(友札)、「あし」まで聞いて初めてこの歌だと決まります。
- 第1番 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ決まり字「あきの」
- 第7番 天の原 ふりさけ見れば 春日なる決まり字「あまの」
- 第12番 天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ決まり字「あまつ」
- 第30番 有明の つれなく見えし 別れより決まり字「ありあ」
- 第31番 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに決まり字「あさぼらけあ」
- 第39番 浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど決まり字「あさぢ」
- 第43番 逢ひ見ての のちの心に くらぶれば決まり字「あひ」
- 第45番 あはれとも いふべき人は 思ほえで決まり字「あはれ」
- 第52番 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら決まり字「あけ」
- 第56番 あらざらむ この世のほかの 思ひ出に決まり字「あらざ」
- 第58番 有馬山 猪名の笹原 風吹けば決まり字「ありま」
- 第64番 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに決まり字「あさぼらけう」
- 第69番 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は決まり字「あらし」
- 第78番 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に決まり字「あはぢ」
- 第79番 秋風に たなびく雲の 絶え間より決まり字「あきか」
詠み人について
柿本 人麻呂(かきのもと の ひとまろ、生年不詳 - 和銅元年〈708年〉頃)は、飛鳥時代の歌人。名は「人麿」とも表記される。後世、山部赤人と共に歌聖と呼ばれ、称えられている。三十六歌仙の一人で、平安時代からは「人丸」と表記されることが多い。
出典: ウィキペディア 「柿本人麻呂」(CC BY-SA 4.0)より抜粋