百人一首の冬の歌(6首)
出典の歌集で「冬」の部に収められた歌です。
富士の高嶺や吉野の里に降る雪(4番・31番)、かささぎの橋に置く霜(6番)、人の訪れの途絶えた山里(28番)など、白く澄んだ景色のなかに寂しさがにじむ歌が並びます。
冬の歌の一覧
- 第4番山部赤人二字決まり「たご」田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ田子の浦に出て見渡すと、真っ白な富士の高嶺に今も雪が降り続いている。
- 第6番中納言家持二字決まり「かさ」かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにけるかささぎが渡したという橋に置く霜の白さを見ると、夜もすっかり更けたのだと感じる。
- 第28番源宗于朝臣三字決まり「やまざ」山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば山里は冬こそ寂しさがまさる。人の訪れも絶え、草も枯れてしまうと思うと。
- 第31番坂上是則六字決まり「あさぼらけあ」朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪ほのぼのと夜が明けるころ、有明の月かと見まがうほどに、吉野の里に白雪が降り積もっている。
- 第64番権中納言定頼六字決まり「あさぼらけう」朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木明け方、宇治川の川霧が途切れ途切れに晴れてゆき、瀬々の網代木が姿を現してくる。
- 第78番源兼昌三字決まり「あはぢ」淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守淡路島から通ってくる千鳥の悲しげな声に、幾夜目を覚ましたことだろうか、須磨の関守は。