百人一首 第82番 道因法師
思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり

読み札
うきにたへぬは
なみだなりけり
取り札
歌の意味(現代語訳)
思い悩みながらも命はまだあるというのに、つらさに耐えきれずにこぼれるのは涙であったよ。
鑑賞のポイント
つれない人を思い嘆いても命はまだ続いているのに、つらさに耐えきれずにこぼれてしまうのは涙だった、と詠んだ歌です。道因法師は高齢になっても熱心に歌の道に励んだと伝わります。
決まり字と友札
決まり字は「おも」の二字決まりです。「お」までが同じ音で始まる歌がほかに6首あり(友札)、「おも」まで聞いて初めてこの歌だと決まります。
- 第5番 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の決まり字「おく」
- 第26番 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば決まり字「をぐ」
- 第44番 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに決まり字「あふこ」
- 第60番 大江山 いく野の道の 遠ければ決まり字「おほえ」
- 第72番 音に聞く 高師の浜の あだ波は決まり字「おと」
- 第95番 おほけなく うき世の民に おほふかな決まり字「おほけ」
詠み人について
藤原 敦頼(ふじわら の あつより)は、平安時代後期の貴族・歌人・僧。藤原北家勧修寺流、正三位・藤原惟憲の曾孫。治部丞・藤原清孝の子。官位は従五位上・右馬助。法名は道因(どういん)。
出典: ウィキペディア 「藤原敦頼」(CC BY-SA 4.0)より抜粋