百人一首 第72番 祐子内親王家紀伊
音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ

読み札
かけじやそでの
ぬれもこそすれ
取り札
歌の意味(現代語訳)
評判の高い高師の浜のあだ波には心をかけまい。袖が濡れては困るように、浮気な人の噂で泣かされてはたまらない。
鑑賞のポイント
恋文を題材にした歌合で、藤原俊忠の求愛の歌に返した歌です。浮気な波で有名な高師の浜のように、噂に聞くあなたの言葉には乗りません、袖が涙で濡れるから、と切り返します。
決まり字と友札
決まり字は「おと」の二字決まりです。「お」までが同じ音で始まる歌がほかに6首あり(友札)、「おと」まで聞いて初めてこの歌だと決まります。
- 第5番 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の決まり字「おく」
- 第26番 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば決まり字「をぐ」
- 第44番 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに決まり字「あふこ」
- 第60番 大江山 いく野の道の 遠ければ決まり字「おほえ」
- 第82番 思ひわび さても命は あるものを決まり字「おも」
- 第95番 おほけなく うき世の民に おほふかな決まり字「おほけ」
詠み人について
祐子内親王家紀伊(ゆうしないしんのうけのきい、生没年不詳)は、平安時代後期の女流歌人で、後朱雀天皇の皇女祐子内親王に仕えた女房。女房三十六歌仙の一人。一宮紀伊(いちのみやのきい)、紀伊君(きいのきみ)とも呼ばれる。
出典: ウィキペディア 「祐子内親王家紀伊」(CC BY-SA 4.0)より抜粋