百人一首 第55番 大納言公任
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ

読み札
なこそながれて
なほきこえけれ
取り札
歌の意味(現代語訳)
滝の音は聞こえなくなって久しいけれど、その名声は今も流れ伝わって世に聞こえている。
鑑賞のポイント
嵯峨天皇の離宮の跡(のちの大覚寺)で、枯れてしまった滝を見て詠んだ歌です。滝の音は絶えて久しいが、その名声は今も流れ伝わっている、と詠みます。「滝」「流れ」「音」「聞こえ」が縁語です。藤原公任は藤原定頼の父です。
決まり字と友札
決まり字は「たき」の二字決まりです。「た」までが同じ音で始まる歌がほかに5首あり(友札)、「たき」まで聞いて初めてこの歌だと決まります。
- 第4番 田子の浦に うち出でてみれば 白妙の決まり字「たご」
- 第16番 立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる決まり字「たち」
- 第34番 誰をかも 知る人にせむ 高砂の決まり字「たれ」
- 第73番 高砂の 尾の上の桜 咲きにけり決まり字「たか」
- 第89番 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば決まり字「たま」
詠み人について
藤原 公任(ふじわら の きんとう)は、平安時代中期の公卿・歌人。藤原北家小野宮流、関白太政大臣・藤原頼忠の長男。官位は正二位・権大納言。中古三十六歌仙の一人、百人一首では大納言公任、『和漢朗詠集』の撰者としても知られる。
出典: ウィキペディア 「藤原公任」(CC BY-SA 4.0)より抜粋
百人一首のゆかりの歌人
- 第64番 権中納言定頼大納言公任と権中納言定頼は父と子