百人一首 第16番 中納言行平
立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む

読み札
まつとしきかば
いまかへりこむ
取り札
歌の意味(現代語訳)
お別れして因幡の山の峰に生える松ではないが、待っていると聞いたなら、すぐにでも帰って来よう。
鑑賞のポイント
因幡の国の国司として都を離れるときの別れの歌です。「いなば」に地名の「因幡」と「往なば(行ってしまったら)」、「まつ」に「松」と「待つ」が掛けられています。作者の在原行平は在原業平の兄です。
決まり字と友札
決まり字は「たち」の二字決まりです。「た」までが同じ音で始まる歌がほかに5首あり(友札)、「たち」まで聞いて初めてこの歌だと決まります。
- 第4番 田子の浦に うち出でてみれば 白妙の決まり字「たご」
- 第34番 誰をかも 知る人にせむ 高砂の決まり字「たれ」
- 第55番 滝の音は 絶えて久しく なりぬれど決まり字「たき」
- 第73番 高砂の 尾の上の桜 咲きにけり決まり字「たか」
- 第89番 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば決まり字「たま」
詠み人について
在原 行平(ありわら の ゆきひら)は、平安時代初期から前期にかけての公卿・歌人。平城天皇の第一皇子である弾正尹・阿保親王の次男(または三男)。官位は正三位・中納言。在中納言・在民部卿とも呼ばれた。小倉百人一首では中納言行平。
出典: ウィキペディア 「在原行平」(CC BY-SA 4.0)より抜粋
百人一首のゆかりの歌人
- 第17番 在原業平朝臣中納言行平と在原業平朝臣は兄と弟