百人一首 第90番 殷富門院大輔
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色は変はらず

読み札
ぬれにぞぬれし
いろはかはらず
取り札
歌の意味(現代語訳)
お見せしたいものだ。涙に濡れても色の変わらぬ雄島の漁師の袖とは違い、私の袖は血の涙で色が変わってしまった。
鑑賞のポイント
源重之の「松島や雄島の磯にあさりせしあまの袖こそかくはぬれしか」をふまえた歌です。雄島の漁師の袖でさえ濡れても色は変わらないのに、私の袖は涙で色まで変わってしまった、それを見せたい、と詠みます。
決まり字と友札
決まり字は「みせ」の二字決まりです。「み」までが同じ音で始まる歌がほかに4首あり(友札)、「みせ」まで聞いて初めてこの歌だと決まります。
- 第14番 陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに決まり字「みち」
- 第27番 みかの原 わきて流るる いづみ川決まり字「みかの」
- 第49番 みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え決まり字「みかき」
- 第94番 み吉野の 山の秋風 小夜更けて決まり字「みよ」
詠み人について
殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ、生没年不詳:大治5年(1130年)頃 - 正治2年(1200年)頃)は、平安時代末期に活躍した歌人である。女房三十六歌仙の一人。父は藤原北家勧修寺流従五位下藤原信成。母は従四位式部大輔菅原在良の娘。一説に以仁王の側室とされ道尊僧正の生母ともいう。
出典: ウィキペディア 「殷富門院大輔」(CC BY-SA 4.0)より抜粋